伊勢元を出て、もう一軒どこかへ行こうかということになり、大塚をぶらぶら歩く。"のり平"という名前の店がある。三木のり平関係の店かも知れない。今度来てみよう。西のほうに行くと加賀屋という食堂があり、あじフライ220円など格安。空腹の時に来よう。大塚は駅から離れた場所にも飲める店がいろいろあって面白い。
駅の方に戻ってくると、人だかりがあった。近づいてみると、ボクシングジムのガラスが開けてあって、公開スパーリングをやっている。
都電の停車場を抜けて南口に出ようとすると、丁度三ノ輪行きの電車が停まっている。酔った勢いで乗り込んだ。しばらく電車に揺られ、三ノ輪に着いた。降りて一寸歩くとアーケードに出る。アーケードには蕎麦屋の砂場や、飲み屋などがあり、どこも人が入っている。都電の線路の反対側に出て、遠太を探してみることにする。
地下鉄の三ノ輪駅で地図を見て、遠太に辿り着いた。明かりはついているが、暖簾がしまわれている。もう閉店かと諦めかけたところ、戸が開き、おかみさんが入れてくれる。数人の客が談笑している。カウンターに掛け、見回すと天井、壁、カウンターなど、どこを見ても長い歴史を感じさせる。店はおかみさんと娘さんの二人でやっている。
焼酎ハイボール、もつ煮、ポテトサラダ、トマトを頼み、テレビを眺める。何杯かお代わりしていると、おかみさんがカウンターに座って、話しかけてくれる。タモリ倶楽部を見て来たと話す。他にもテレビや映画の撮影に使われたことがあったが、あまり影響はなかったこと、昨年ご主人が亡くなられ、店を閉めようとしたこと、などの話を興味深く聞く。
細の親の郷里が福井だと話すと、おかみさんがそれを店の客に伝えた。するとその人が、"店の常連に福井の人がいるので呼んでみるよ"と言って携帯で電話をしている。数分で福井の人が現れ、ビールを飲みながら福井の話をしてくれる。談笑に加わると、どんどん酒が進んでしまい、したたか酔っ払う。
また来て談笑しようと話しながら、地下鉄に乗り込んだ。
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